行政訴訟判決

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  • ◆S54. 6.13 東京高裁 昭和52(行ケ)140 選挙無効請求事件(15)

 

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ために「真摯な努力」をなすべきことを要求しているということである。
以上
原告準備書面 (四)
一 かつてわが最高裁判所大法廷は、「憲法は、一四条一項において、すべての国民は法の下に平等であると定め、一般に平等の原理を宣明するとともに、政治の領域におけるその適用として、・・・・・・選挙権について一五条一項、三項、四四条但し書の規定を設けている。これらの規定を通覧し、かつ、右一五条一項等の規定が、・・・・・・選挙権の平等の歴史的発展の成果の反映であることを考慮するときは、憲法一四条一項に定める法の下の平等は、選挙権に関しては国民はすべて政治的価値において平等であるべきであるとする徹底した平等化を志向するものであり、右一五条一項等の各規定の文言上は単に選挙人資格における差別の禁止が定められているに

すぎないけれども、単にそれだけにとどまらず、選挙権の内容、すなわち各選挙人の投票の価値の平等もまた、憲法の要求するところであると解するのが、相当である。」と説いた。(昭和五一年四月一四日判決、民集三〇巻三号二二三頁)
二 思うに、現代における代表民主制は、「一人一票」の原則と「多数決」原理とを前提とする。したがつて、「投票の価値」の平等を憲法上の要請として承認する立場に立脚する限り、「代表」は論理必然的に「人口」に比例するものでなければならない。けだし、そこに非人口要素を加味することを許すならば、たとえその立論が選挙制度の目標と

されるべき「公正かつ効果的な代表」の確保という美衣を纏つたとしても、それは、所詮、マイノリテイ(少数者)擁護論を議員定数配分に導入することとなり、前記の前提に背馳するにいたるからである。
なるほど、代表におけるマイノリテイの問題は極めて重要であり、したがつて、マイノリテイ(少数者)の権益を擁護することに充分な配慮がなされるべきことはこれを承認するにやぶさかではない。しかし、それは議員定数配分という選挙制度の枠内においてではなく、その枠外において処理されるべきものである。
三 しかして、前記の最高裁判所大法廷判決は衆議院議員

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