行政訴訟判決

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  • ◆S54. 6.20 東京地裁 昭和51(行ウ)48 法人税額更正処分等取消請求事件(4)

 

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〇日都自動車株式会社(以下「都自動車」という。)から別紙二の建物及び借地権(以下「本件買換資産」という。)を三億五、四五八万一、〇〇〇円で取得したことに伴い、四五事業年度の決算において、旧措置法六五条の五第二項及び第三項の規定を適用し、前記七億四、四九八万六、一二九円を益金の額に算入するとともに、損金経理により、本件買換資産のうち借地権については七、九二五万三、七〇五円を帳簿価額より減額し、建物については一億三、九一七万二、六二五円を引当金勘定に繰り入れたが、被告は、本件更正処分(二)において、右損金経理は旧措置法六五条の五第二項の要件に該当しないものであるとして右圧縮損(建物圧縮記帳引当金を含む。)を否認し、これに伴い、原告が減価償却超過相当額として益金に算入した一、一〇五万三、八三〇円を減額した。なお、これ

とは別に建物等の減価償却費二七〇万九、二〇五円が超過して計上されていたのでこれを加算した。
2 本件更正処分(二)の適法性
(一) 旧措置法六五条の四、五の規定は、昭和三八年の税制改正により創設されたものであるが、これらの規定による特定の資産の買換えの場合等の課税の特例は、当時における貿易自由化の拡大、国際収支の動向等の経済状勢の推移にかんがみ、社会資本の充実とともに民間企業における産業設備の整備強化を急速に行うことが我が国経済にとつて当面緊急であると考えられたことから、譲渡所得に係る課税を延期することにより、設備の更新に

よる産業設備の合理化・近代化、工場移転による産業立地の改善その他一般に資本の活用を図ることを目的として創設されたものであり、このことは、これらの規定が、資産の「譲渡」及び「取得」のうちから贈与、交換、出資、代物弁済を除外し、売買による資産の買換えを前提としていること、機械装置については土地等と一体となつて譲渡した場合に限つていること、買換資産を日本国内の事業の用に供するものに限定していること、買換資産を取得の日から一年以内に事業の用に供することを条件としていること、にあらわれている。したがつて、同条の五第二項に定める買換資産を「事業の

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