行政訴訟判決
- ◆S54. 6.20 東京地裁 昭和51(行ウ)48 法人税額更正処分等取消請求事件(10)
資額合計三億八、六七四万五、〇〇〇円×資本利子一〇パーセント+管理費用一、六九二万二、五〇六円=五、五五九万七、〇〇六円)、原告が実際に都自動車から収受する賃料は四、二〇〇万円であり、実に一、三五九万円も過少ということになる。このように異常に低い賃料による賃貸借契約は、営利を目的とする会社の行為としては著しく経済的合理性を欠くものであり、本件買換資産の売買が会社としての事業目的をもつた事業上必要な取引であつたとみることはできない。
仮に、本件買換資産の売買の理由が、原告主張のように都自動車の金利負担を軽減するためのものであつたとしても、それは、親会社たる都自動車の金融を目的として子会社たる原告にその有する資産を移転したものにすぎず、かかる場合においても、旧措置法六五条の四、五の規定の立法趣旨に合致しないこ
とは明らかであるから、同規定による圧縮記帳は是認しえないものというべきである。
二 原告の反論二4について
本件買換資産の取得原因が代物弁済であるとの被告の主張が本件更正処分(二)の附記理由の内容となつていなかつたこと並びに原告が青色申告書の提出の承認を受けている法人であることは認める。
しかしながら、一般に課税処分取消訴訟における審理の対象は、当該処分によつて認定された課税標準及び税額が客観的に存在するか否かであり、租税債務の認識根拠は単なる攻撃防禦方法にすぎず、時機に後れた攻撃防禦方法として却下されない限り、処分
当時客観的に存在したいかなる事実も訴訟において主張できると解すべきである。そして、このことは、青色申告者に対する課税処分についても、それが実体的に違法であるか否かが争点になつている限り、別異に解さなければならない理由はない。更正の理由附記は、課税庁がいかなる理由で更正処分を行つたかをその通知書に附記することにより、課税庁の処分の慎重を担保し、相手方の不服申立ての便宜に資するためのものにすぎず、更正の形式的手続要件とみるべきものである。したがつて、更正の理由附記は、更正処分の手続が適法であつたか否かについては意味があつても、課税処分の根
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