行政訴訟判決

行政訴訟判決

  • ◆S54. 6.20 東京地裁 昭和51(行ウ)48 法人税額更正処分等取消請求事件(12)

 

前ページへ  次ページへ

金とすることはできないといわなければならない。そして、この損金不算入額は、右二、〇〇〇万円を原告とAの取得代金額に応じて按分すると四七万六、四四三円となる。
2 原告は、原告とAとの間でAには仲介手数料を負担させない旨の合意があつたと主張するが、仮にそのような合意があつたとしても、それはAが本来負担すべき費用を原告が肩代わりするというにすぎないのであつて、そのことのゆえに、法人税の所得金額の計算のうえで、右肩代わり分が当然に原告の損金として認められることになるわけではない。このことは、A所有地の売却が本件不動産等の売買成立に必要不可欠であつたためやむなく右合意をしたものであるとしても、A所有地の売却による収益が直接原告に帰属しないものである以上、異なることはないというべきであり、また、支払われた仲介手数料

額の多寡によつて左右されることでもない。
3 以上のとおりであるから、原告がCに支払つた二、〇〇〇万円のうち四七万、六、四四三円は、原告の四四事業年度の法人税の所得計算上損金とはならないものというべきところ、本件更正処分(一)はその範囲内である四六万円の限度で損金算入を否認したものであるから、結局、本件更正処分(一)は正当である。
三 本件更正処分(二)(圧縮記帳否認)について
1 被告の主張二1の事実は当事者間に争いがなく、また、本件買換資産は従来から都自動車が立体駐車場ビルとして使用していたところ、原告はこれを取

得した後直ちに賃料年額四、二〇〇万円で都自動車に賃貸し、従前どおり使用管理せしめていることも、当事者間に争いがない。そして、原告が不動産の賃貸を業とする会社であることは前記のとおりであるから、右都自動車に対する賃貸により本件買換資産を「事業の用に供した」ものとして、旧措置法六五条の四、五に定める課税の特例の適用を受けるものというべきである。
2 被告は、本件買換資産がその取得の前後において利用状況になんら変化を生じていない以上、不動産について新たな需要や利用関係が生じ資本の活用が図られたとはいえないから、右旧措置法の規定の立法趣

前ページへ  次ページへ





おすすめサイト