行政訴訟判決

行政訴訟判決

  • ◆S54. 6.20 広島高裁 昭和53(行コ)12 証人出頭請求無効確認請求控訴事件(1)

 

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要求する投票権の平等に反するに至つているものと判断すべきか否かについては必ずしも明確に断定し難いこと、参議院については、全国選出議員も存し、地方選出議員が、地域代表的性格を有することからすれば、その各選挙区の定数は、衆議院の場合に比して、制度的により相当長期間固定されて然るべきものであり、公選法の規定(前記添書の存しないこと等)もそのことを前提としているものと解せられること等を考え合わせ、かつ、国会等関係機関が現に是正のための努力をしているものと認められ、是正の実現が期待し得ないものとも断定し難い現況にある以上は、結局、国会に対し、他事を考慮して徒らに遅滞するようなことなく、もつぱら公正かつ効果的な代表選出という観点から、従前にも増して真摯な努力を傾注して対立する諸意見を調整し、かくして可及的速かに国民的合意を

得られるような定数是正の実現をはかることを期待し、右期待の下において、既往の期間も準備期間として含めて、右の実現のために、なお若干の期間を認めることが相当であるというよりほかないものというべきであり、憲法上もこれを許容すべきものと考える。
してみれば、本件議員定数配分規定の是正問題は、現に国会の裁量の手中にあるというべきもので、裁判所が、制定当時合憲であつた右規定を違憲と断ずるのはなお時期尚早とすべきであり、従つて本件議員定数配分規定の下に執行された本件選挙をもつて違憲とすることは困難であるといわなければならない。
三 よ

つて、原告らの本訴各請求は理由がないからこれを棄却することとし、訴訟費用の負担について行政事件訴訟法第七条、民事訴訟法第八九条、第九三条を適用して主文のとおり判決する。
(裁判官 安岡満彦 内藤正久 堂薗守正)
選定者目録(省略)
◆S54. 6.20 広島高裁 昭和53(行コ)12 証人出頭請求無効確認請求控訴事件▼▼▼▼

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