行政訴訟判決

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  • ◆S54. 6.28 大阪地裁 昭和49(行ウ)33 法人税更正処分取消請求事件(4)

 

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課税を期することにある。
(3) したがつて、低額譲渡の場合であつても、例えば、譲渡者が商取引に対して不精通なため、又は拙劣なため時価を下回る価額で譲渡して損失を被つた場合のように、譲渡価額が相当であると信じていたような場合には、右規定を適用すべきではないことになる。
(4) しかしながら、法人税法三七条五項の場合には贈与財産の時価まで認識している必要はないと解されるところ、これと同一の目的に出ている同条六項の場合にも、五項との対比上譲渡財産の正確な時価したがつて譲渡価額との差額の程度までは認識している必要がないのである。
(二) 本件土地譲渡経理の時期について
(1) 原告会社からピーエル農場への本件土地の譲渡経理の時期は、原告会社は昭和四五年三月一九日と主張し、被告は同月二〇日から三

一日までのいずれかの日、強いて特定するなら同月三一日であると主張する。
(2) 証人Gの証言によつて成立が認められる甲第五号証の二によると、「ミキ観光へ土地代手形にて支払金一億七、三四八万八、五三五円」とする昭和四五年三月一九日付ミキグループ名義の振替伝票(甲第五号証の二)が作成されていることが認められ、右証言中には、「右伝票を作成した日の記憶はないが、決算までに作成したものであり、伝票の記載日付を操作したという記憶はない」との部分がある。しかし、成立に争いがない乙第四、五号証によると、原告会社及びピーエル農場は、原告会社が本件

土地をピーエル農場に売却した日を昭和四五年一月一〇日とする内容虚偽の記帳をしたことが認められ、原告会社自身もこのことを自認しているから、甲第五号証の二の伝票が昭和四五年三月一九日に作成されたことには疑いがある。そうすると、甲第五号証の二、証人Gの証言だけで、本件土地の譲渡経理の日を原告会社の主張どおり同月一九日とすることはできない。
(3) 前掲乙第四、五号証、証人G及び同Hの各証言、並びに弁論の全趣旨によると、Gは、昭和四五年一月一五日から原告会社、ピーエル農場、フードサプライなどミキグループと呼ばれる企業の経理を委ねられて担

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